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銘板の印刷方法を解説

2025.07.22 / TOPIC

銘板の印刷方法を解説

目次

印刷銘板とは?


「印刷銘板」とは、製品に取り付けられる表示プレートのことです。
製品の情報やブランドのロゴなどを伝える「顔」のような役割を持っています。デザインを自由自在に表現でき、仕上がりがとても美しいのが特長です。

しかし、いざ印刷銘板を製造しようとすると、こんな疑問がわきませんか?

「シルクスクリーン印刷とインクジェット印刷どちらを選んだらいいの?」
 「屋外で使いたいけど、耐久性は大丈夫?」
 「小ロットで作りたいけど、コストはどれくらいかかる?」 

その疑問、銘板製作30年の経験を持つプロがお答えします!

この記事では、印刷銘板の主要な工法である「シルクスクリーン印刷」と「UVインクジェット印刷」について、それぞれのメリットやデメリット、耐久性、得意なデザインを徹底的に比較解説します。
最適な印刷銘板を見つけるためのポイントを、プロがわかりやすくまとめました。

シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷は、100年以上の歴史を持つ、伝統的な印刷方法の一つです。スクリーン印刷と呼ばれることもあります。

印刷したいデザインや文字の部分に、網目状の細かい穴が開いている「シルクスクリーン版」と呼ばれる版を使います。その上に粘度の高いインクをのせ、スキージ(ゴムベラ)を使ってインクを反対側に押し出すことで印刷します。

シルクスクリーン版を反対側から見た様子

シルクスクリーン印刷の最大の特徴は、アクリルなどの樹脂素材の他にも、アルミやステンレスなどの金属、布、木材、ガラスなど、あらゆる素材に印刷が可能です。その特徴から、水と空気以外のあらゆる素材に印刷できるといわれています。
家電製品の操作パネルから工業機械の銘板、Tシャツのプリントまで、幅広い用途で高い耐久性と発色性が活かされています。

シルクスクリーン印刷のメリット

  • 鮮やかな発色と厚いインク層
    インク層がUVインクジェット印刷と比べて厚く、発色が鮮やかです。
  • 高い耐久性
    半屋外での使用や、摩擦、薬品への耐性が必要な環境に適しています。
  • ベタ塗が得意
    色数が少ないシンプルなデザインや、企業ロゴなど、ベタ塗りの面が多いデザインに向いています。
  • 特色を使用できる
    UVインクジェット印刷では印刷が難しい、金や銀などの「特色」と呼ばれる特殊な色を使うことができます。

シルクスクリーン印刷のデメリット

  • 初期費用として版代が発生する
    1枚だけ製作したい場合は、版代+印刷代等がかかってくるため、1枚当たりの製作費はUVインクジェット印刷に比べると、割高になります。
    まとまった枚数を注文する場合は、1枚あたりのコストが抑えられるあめ、コストパフォーマンスを発揮します。
  • 細かすぎるデザインは苦手
    写真やグラデーションといった、非常に細かい色や表現を含むデザインには不向きです。

スクリーン印刷について、さらに詳しく知りたい方は下記の技術紹介ページをご覧ください。
工場で保有しているシルクスクリーン印刷の設備についても、紹介しています。
【技術紹介】スクリーン印刷

UVインクジェット印刷

インクジェット印刷は、比較的新しくできた印刷方法です。
C・M・Y・Kの4色の微細な粒上のインクを、吹き付けて印刷します。
UVライト(紫外線)をあてることでインクが硬化するため、インクを乾かす時間や手間を軽減できるのも特徴です。

紫外線(青い光)をあてながらUVインクを硬化している様子

シルクスクリーン印刷のように、印刷する際に版を必要としないため、1枚からでも気軽に印刷することができます。

また、シルクスクリーン印刷でたくさん色を使った細かいデザインを印刷しようとすると、色の数だけ版が必要になりますが、データで印刷を行っているインクジェット印刷は、多色刷りや写真のような微細なデザイン、グラデーションなどの印刷を得意とします。

UVインクジェット印刷のメリット

  • 版を必要としない
    版を作成する必要がないため、版代を抑えられます。
  • 多品種小ロット生産に最適
    1枚からでも気軽に印刷できるため、試作品や少量ずつ複数のデザインを製作したい場合に向いています。
  • 高いデザイン表現が可能
    写真や複雑なイラスト、グラデーションなど、色数をたくさん使う細かなデザインも再現できます。
  • 可変データに対応
    シリアル番号など、1枚ごとに異なる情報を印刷しやすいです。
  • 環境や人体に優しい
    UVインクジェット印刷は溶剤を使わずインキを瞬間的に硬化させるため、環境に優しい印刷技術です。
    (溶剤とはインクの成分を溶かし、乾燥させるための液体成分のことです。)

UVインクジェット印刷のデメリット

  • 半屋外での使用には注意が必要
    半屋外で使用する場合は、素材の特性や設置環境によって注意が必要です。半屋外で長期的に使用する場合は、シルクスクリーン印刷をおすすめします。

UVインクジェット印刷について、さらに詳しく知りたい方は下記の技術紹介ページをご覧ください。
工場で保有しているUVインクジェット印刷印刷の設備についても、紹介しています。
【技術紹介】UVインクジェット印刷

2つの印刷方法どちらがいいの?

こんな場合はどちらを選ぶ?
シルクスクリーン印刷とUVインクジェット印刷の2つの印刷方法の特徴を表にまとめました。
どちらの印刷方法が要望にあっているか、用途別に見ていきましょう。

求めることシルクスクリーン印刷がおすすめUVインクジェット印刷がおすすめ
耐久性(半屋外使用)半屋外での使用
耐候性と耐摩耗性を重視する場合
屋内での使用
半屋外でも短期間の使用の場合
コストある程度の枚数を
まとめて製作する場合
1枚からの製作や
多品種小ロット生産の場合
デザイン色数が少なく、ベタ塗りの面が多い
特色を使用したい場合
微細な表現、写真などの多色使い
グラデーションを印刷したい場合
色表現色数が少なく、ベタ塗の面が多い場合に向いている微細な表現やグラデーション印刷に向いている

製作事例

プリントス株式会社で製作している印刷銘板の一覧です。
それぞれの事例で、どちらの印刷方法が選ばれ、どんなメリットが活かされているかもまとめました。

駅券売機の表示パネル

印刷方法:シルクスクリーン印刷
理由:半屋外での使用に耐える耐久性と、情報の伝達効果を高める色の鮮やかさが求められるため。

水族館券売機の操作パネル

印刷方法:UVインクジェット印刷
理由:来場者が楽しめるよう、イラストや多色使いでレジャー施設を賑やかに彩るため。

工作機械の操作パネル

印刷方法:UVインクジェット印刷
理由:操作性向上のため、ボタンや目盛りを多色で分かりやすく表示するため。

警告ラベルのシール銘板

印刷方法:シルクスリーン印刷
理由:注意喚起のため、色鮮やかではっきりとした目立つ表示が求められるため。

操作方法のシール銘板

印刷方法:UVインクジェット印刷
理由:細かいイラストが多用されているため。

機械の銘板シール

印刷方法:シルクスクリーン印刷
理由:機械に直接貼り付けるため、高い耐久性が必要とされる。

お問い合わせ

印刷銘板の製作なら、プリントス株式会社におまかせ!
プリントスでは、銘板の印刷だけでなく、デザイン、製版、樹脂加工もすべて社内で行っています。

社内一貫生産だからこそ実現できる、高い管理力と、短納期対応で、お客様に高品質で安心していただける製品をお届けいたします。

各種ご要望や仕様に関するご相談、工場見学のご案内も可能です。
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