エンボスシールとは?
エンボスシールとは、紙やフィルムなどの素材にエンボス加工を施して、立体的な模様や文字を表現したシールのことです。
エンボス加工により、高級感や特別感を演出できるのが、エンボスシールの特徴です。
この記事では、エンボス加工をシールにしたらどうなるのか。作製の流れと
エンボス加工について
エンボス加工は、専用の版を使って紙やフィルムに凹凸をつけて、高級感や立体感を演出する加工方法のことです。別名「浮き出し加工」とも呼ばれています。
エンボス加工が、デザインをに凸加工するのに対し、凹加工することを「デボス加工」といいます。
エンボス加工とデボス加工について、もっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
エンボスシールの特徴
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視覚的な効果
デザインを立体的にすることで、見る人に強い印象を与えます。
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触覚的な効果
凹凸があるため、触れることでも印象を残すことができます。
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高級感や特別感
立体的な表現が、高級感や特別感を演出します。
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偽造防止の効果
特殊な凹凸パターンは偽造が難しいため、商品の信頼性を高めます。
エンボスシールのメリット・デメリット
メリット
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高級感、特別感を演出できる
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ブランドイメージ向上に貢献できる
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視覚的な訴求力が高い
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触覚的な楽しさを提供できる
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デメリット
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製品の形状によっては加工が難しい場合がある
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比較的コストが高い
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デザインに制限がある場合がある
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納期が長くなる場合がある
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作製の流れ
- デザインの作成
エンボス加工したいデザインを決めます。
エンボスの高さや深さ、陰影などを考慮し、立体感を表現するデザインを作成します。
エンボス加工は、細い線や複雑な形状が潰れてしまう可能性があるため、絵柄はシンプルにまとめることが大切です。
- 金型の作製
作成したデザインデータを元に、エンボス加工用の金型を作成します。
NC加工機などを使用して、金型を製作します。
- エンボス加工
作成した金型とシールをプレス機で強く圧着し、シールに凹凸を形成します。
エンボスの深さや形状は、加える圧力によって調整できます。
- 検査・検品
仕上がりを目視で確認し、不良品がないか外観検査します。
エンボスの深さや形状が設計通りになっているか、寸法を測定して確認します。
- 仕上げ
エンボス加工された シート状のシールを、必要なサイズにカットします。
シールに不良品がないか、再度検品します。
- 納品
エンボスシール導入時のポイント
エンボスシールは、その特徴的な質感と高い視覚的訴求力から、様々な分野で活用されています。特にブランドイメージの向上や高級感を演出したい場合に効果を発揮します。
ただし、コストや納期、デザインの制限など、注意すべき点もあります。
エンボスシールを導入する際は、以下の点を検討しましょう。
- 目的:エンボスシールを導入する目的は何ですか?(ブランドイメージ向上、高級感の演出など)
- 予算:どれくらいの予算を割くことができますか?
- 納期:いつまでに納品が必要ですか?
- デザイン:どんなデザインのエンボスシールを作りたいですか?
デザインのポイント
エンボスシールは、その立体的な質感で製品に高級感や特別感を付与できる一方で、デザインにはいくつかのポイントがあります。以下に、主なポイント5つをまとめました。
1.デザインの簡素化
- 線や文字の太さ:細い線や小さな文字が潰れて見えたり、逆に太くぼやけて見えたりする可能性があります。ある程度の太さを持たせたデザインにしましょう。
- 複雑な形状:平面的な印刷とは異なり、複雑な形状を再現するのが難しい場合があります。シンプルな形状にまとめ、立体感が出るように工夫しましょう。
2.素材との相性
- 紙の種類:厚みがあり、強度のある紙を選ぶことで、より美しいエンボス加工が可能になります。
- インクとの相性:エンボス加工と印刷を組み合わせる場合、インクの種類や印刷方法によっては、仕上がりに影響が出る場合があります。事前にテストを行い、最適な組み合わせを選びましょう。
3.コストとの兼ね合い
- 形状の複雑さ:エンボス加工の形状が複雑になるほど、金型作成費用や加工時間がかかり、コストが高くなります。
- 版数:色数やデザインの複雑さによって版数が増え、コストが上昇します。
- 数量:少量生産の場合、単価が高くなる傾向があります。
4.納期
- 金型作成:エンボス加工は金型を作成する必要があるため、一般的な印刷物よりも納期が長くなります。
- 修正:デザインの修正が必要になった場合、金型を作り直す必要があるため、納期に影響が出る可能性があります。
5.その他
- 立体感の塩梅:エンボス加工は、立体感の表現に優れていますが、過度な立体感はかえって安っぽく見えてしまうことがあります。
- 耐久性:耐久性は、素材や加工方法によって異なります。繰り返し使用されるものには、耐久性のある素材を選ぶことが大切です。
向いている素材
エンボス加工を作るために、シール台紙と呼ばれる部分に様々な素材が使われます。立体的な模様を出すためには、ある程度の厚みと強度が必要になります。一般的に以下のような素材が用いられます。
- 紙(上質紙、アート紙、クラフト紙など)
厚みのある紙ほど、エンボス加工による立体感が際立ちます。高級感のある仕上がりになります。
- フィルム( PETフィルムやPVCフィルムなど)
紙よりも丈夫で、水や汚れに強いのが特徴です。屋外で使用したり、頻繁に貼り剥がしたりする場合に適しています。
- 合成紙
紙のような風合いを持ちながら、耐水性や耐久性が高い合成紙もあります。
素材選択のポイント一覧
- 高級感を出したい場合:厚みのある紙、金や銀などの箔
- 耐久性を重視する場合:PETフィルム、UV樹脂
- 立体感を強く出す場合:厚みのある紙やフィルム
- 屋外で使用する場合 :耐水性の高いフィルム
- コストを抑えたい場合:一般的な紙、インク
エンボスシール活用事例
一般的な平らなシールと比べて、高級感やオリジナリティが際立ち、視覚的なインパクトも大きいため、ラッピングやカードなど、さまざまな用途に利用されています。その例をご紹介します。
【商品パッケージ】
- 高級ブランドのロゴ:ブランドロゴで作成したエンボスシールを、ジュエリーや高級化粧品などのパッケージに貼ることで、ブランドイメージを高め、高級感を演出します。
- ワインのラベル:ラベルに模様や文字をエンボスすることで、高級感と特別感を演出します。
- 食品のパッケージ:クッキーやチョコレートなどのパッケージにエンボスシールを使用することで、上品さや手作り感を演出できます。
【ブランディング】
- 企業ロゴ:名刺や封筒、会社案内などにエンボスシールでロゴを施すことで、企業イメージを向上させ、信頼感を演出します。
- ショップカード:ショップカードにエンボス加工を施すことで、顧客に特別感を与え、印象的なショップカードを作成できます。
【ノベルティ】
- ステッカー:イベントやキャンペーンで配布するステッカーにエンボス加工を施すことで、特別感のあるノベルティグッズを作成できます。
【その他】
- 招待状:結婚式やパーティーなどの招待状に施すことで、格式の高さや華やかさを表現できます。
- ギフトラッピング:プレゼントのラッピングにエンボスシールを使用することで、高級感と特別感を演出できます。
まとめ
エンボスシールは、商品を特別な存在にするための強力なツールです。
ぜひ、エンボスシールで、あなたの商品をグレードアップさせてみませんか?