エンボス加工とは?
エンボス加工とは紙や金属、プラスチックなどの素材に、凹凸を付けて文字や模様を立体的に浮き出させる加工技術のことです。この加工技術は、工業銘板をはじめ色々な製品に活用され、多くのメリットをもたらしています。
また、凸面を付ける加工をエンボス加工、凹面を付ける加工をデボス加工と呼ぶこともあります。
デボス加工
エンボス加工同様、文字やボタンなどを凹ませる加工技術のことです。エンボス加工と対照的で、エンボス加工が素材を押し出して凸状にするのに対し、デボス加工は素材を押し込んで凹状にします。
エンボス加工とデボス加工について、詳しく解説している情報はこちらをご覧ください。
エンボス加工のメリット
エンボス加工は工業銘板をはじめ、さまざまな種類の製品に使用されています。ここでは、工業銘板とその他の製品でエンボス加工を施すメリットについて、併せてご紹介していきます。
工業銘板の場合
- 操作性の向上
エンボス加工による凹凸は、操作ボタンの形状や位置をより明確にし、操作性を向上させることができます。また、誤操作を防止し、事故のリスクを低減します。
- 安全性の向上
緊急停止ボタンなどの重要な操作ボタンを、エンボス加工で強調することで、迅速な対応を促し、安全性を向上させます。
- 高級感の演出
会社のロゴをエンボス加工して浮きだたせることで、高級感を与え製品への印象をより強く残すことができます。
- デザイン性の向上
模様などに凹凸をつけることで視覚的なアクセントとなり、銘板のデザイン性を高めることができます。
その他の製品の場合
- デザイン性の向上
木目や革など、自然素材の風合いを再現できます。
- 機能性の向上
例えば、キッチンペーパーに凹凸を施すことによって、水分をしっかり吸収できるようになります。また、手になじみやすく、破れにくくなります。
また、床材や階段などにエンボス加工を用いることで、滑り止め効果を与えることもできます。
- 耐久性の向上
エンボス加工によって表面に凹凸をつけることで、傷や摩耗に強くなり、耐久性を向上させることができます。
- 触覚的な楽しさ
視覚だけでなく触覚にも訴えかけることで、五感を刺激し、製品への興味関心をさらに高める効果が期待できます。
デメリット
エンボス加工は工業銘板などに多くのメリットをもたらしますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
より効果的にエンボス加工を利用するためには、いくつかのデメリットや注意する点を理解しておくことが大切です。
1.コスト
- 型代:エンボス加工には、専用の型が必要となります。特に、金属型は高価なため、初期費用が大きくなる傾向があります。また、材質やサイズ、デザインの複雑さによって金型費用は大きく変動します。
- 加工費用:エンボス加工は、一般的な印刷に比べて加工費用が高くなる傾向があります。特に、小ロット生産の場合、1枚あたりの単価が高くなる可能性があります。
2.納期
- 金型の製作期間:一般的に、金属型の製作期間は1ヶ月~3ヶ月程度の時間がかかります。特に、サイズが大きかったり、複雑なデザインを希望する場合は、さらに製作期間が長くなる傾向があります。
工業銘板の場合、必要な情報やデザインが確定してから、金型製作、試作品製作、量産という流れになるため、納期に余裕を持つ必要があります。
3.デザインの制限
- 細かさ:複雑なロゴや細かい文字は、エンボス加工で再現することが難しい可能性が高く、デザインの簡略化や線の太さ調整などが必要となることがあります。
- 深さ:素材の厚みによっては、希望する高さのエンボスを施すことが難しい場合があります。
デメリットを軽減するには?
1.樹脂型
金属型に比べて安価で短納期で製作できる樹脂型を検討する。
2.デザインの工夫
エンボス加工に適したデザインを採用する。
3.加工業者に相談する
エンボス加工を行っている業者に相談し、最適な加工方法や素材を検討する。
工業銘板にエンボス加工を施す際は、これらのデメリットを理解した上で、メリットとデメリットを比較検討し、導入を判断することが重要です。
樹脂型のメリット
エンボス加工は、製品に付加価値を与える有効な方法ですが、従来の金属型を用いる場合は、高額な初期費用が必要という点が課題となっていました。
特に、小ロット生産では、コスト面から導入を断念するケースも少なくありませんでした。
そこで、小ロット生産におすすめなのが、樹脂型を使ったエンボス加工です!
樹脂型なら、小ロット生産で発生するお悩みを一気に解決できます。
- 低コスト化:金属型に比べて初期費用が大幅に抑えられるため、試作開発や小ロット生産に適しています。
- 短納期:金属型に比べて金型作製の時間を短縮できるため、納期2週間でエンボス加工が可能です。
- 小ロット生産に最適:金型が低コストで作成できることから、小ロット生産に活用しても、予算内に納めることができます。
樹脂型の活用方法
樹脂型を使ったエンボス加工は、従来の金属型に比べてコストや納期の面で大きなメリットがあり、試作品製作や多品種少量生産などにも、柔軟に対応できるようになりました。
樹脂型を用いることで、これまで導入を諦めていた分野でも、エンボス加工を導入できるハードルを下げます。
- 試作品にエンボス加工を施して、デザインや機能性を検証したい場合
- 多様なデザインの製品を少量ずつ生産したい場合
- 短納期でエンボス加工製品を納品したい場合
さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
この記事では、工業銘板をはじめ色々な製品に活用されているエンボス加工のメリット・デメリット、そして樹脂型についてご紹介しました。
エンボス加工は、製品に新たな価値を与えるだけでなく、視認性を上げて誤操作を防いだり、ブランドイメージの向上にもつながる強力なツールです。
製品にエンボス加工を取り入れることで、他社との差別化を図ってみませんか?
小ロットエンボス加工や樹脂型について、ぜひ一度ご相談ください!