2024.12.04 / TOPIC
私たちプリントスは、樹脂銘板にエンボス加工を施すことを得意としています。日頃からエンボス加工機を使用していますが、改めて、エンボス加工機の種類や特徴を整理してみたいと思います。
そこで今回は、様々なエンボス加工機について、調べてまとめてみました。
エンボス加工機は、素材の表面に凹凸を付けることで、立体感や質感、機能性を加える機械のことです。エンボス型と呼ばれる型を使って、素材に圧力を加えることで、凹凸を作り出します。
エンボス加工機を導入すると、以下のような様々なメリットをもたらします。
製品価値の向上
・エンボス加工によって、製品に高級感や特別感を付与することができます。
・会社ロゴなどにエンボス加工を施すことで、ブランドイメージを強化し、差別化を図ることができます。
・エンボス加工は、触覚的にも情報を伝えることができるため、顧客にさらに強い印象を残すことが可能です。
生産性の向上
・エンボス加工機を導入することで、手作業で行っていた工程を自動化でき、業務効率を向上させることが可能です。
・ローラー式エンボス加工機の場合、大量生産にも対応できるため、人材不足の解消にも役立ちます。
コスト削減
・生産性の向上により、人件費や時間コストを削減することができます。また、リードタイムを削減できることで、顧客満足度向上にも貢献します。
・エンボス加工を外注していた場合は、エンボス加工を内製化することで、コスト削減に繋がります。
新規ビジネスの創出
・エンボス加工は、デザイン性やオリジナリティを求める顧客層に効果的なため、新規顧客の獲得に繋がるきっかけとなる可能性が高まります。
エンボス加工機は大きく分けて、ローラー式とプレス式があります。2つの機械の特徴や使われ方について、詳しく解説していきます。
ローラー式エンボス加工機
ローラー式エンボス加工機は、エンボス加工の中でも広く普及している方式です。回転式エンボス加工機と呼ぶこともあります。2本の回転するローラー間に素材を通し、片方のローラーに刻まれた模様を圧着することで、素材表面に連続的に凹凸を形成します。
高速処理、均一な加工、大量生産への適応といった特徴から、包装紙やトイレットペーパーなど、連続生産が必要とされる製品の製造に広く利用されています。
【特徴】
・高速処理が可能
・大量生産に適している
・均一な仕上がりになる
【主な用途】
・包装紙
・トイレットペーパー
・壁紙
プレス式エンボス加工機
模様や文字の入った平らなエンボス型(版)を使って、上から圧力をかけることで、素材に凹凸を付ける加工機です。一点一点丁寧に加工することができるため、小ロット生産や一点ものの製品に最適です。
また、繊細な模様を表現できるため、デザイン性を重視する製品に多く用いられています。
【特徴】
・一点ずつ加工する
・少量生産に適している
・繊細な表現が可能
【主な用途】
・名刺
・革製品(名刺入れなど)
・機械の操作シート
エンボス加工機を導入する際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらの点に注意することで、エンボス加工機をスムーズに導入し、効率的に運用することができます以下のポイントを参考に、専門業者に相談することもおすすめです。
エンボス加工機の導入を検討する際、導入後の運用まで見据えて検討することが大切です。
具体的には、以下の点に注意することで、機械導入後のギャップを少なくし、満足のいくエンボス加工機導入を実現できるでしょう。
1.設置スペースの確保
エンボス加工機は機種によってサイズが大きく、重量もあるため、設置場所の広さや作業スペースの確保、床の強度を確認しましょう。また、搬入経路を事前に確認することで、スムーズな設置が可能となります。
2.電源容量の確認
エンボス加工機は消費電力が大きいため、契約している電力会社との契約容量を確認し、必要があれば増設工事を行いましょう。電圧やコンセントの形状も確認し、機械に合った電源環境を整えます。
3.操作方法の習得
機種によって操作方法が異なるため、事前に操作方法を習得し、安全に操作できるようメーカーの研修やマニュアルを活用しましょう。従業員全員が正しく操作できるよう、教育体制を整えることも重要です。
4.安全対策
安全装置の設置や作業時の服装などに注意し、安全対策を徹底することで、事故を未然に防ぎます。
また、作業場に緊急停止ボタンや消火器などを設置したり、定期的に安全点検を行うなど、安全意識の向上に努めましょう。
5.メンテナンス
エンボス加工機の長期安定稼働には、適切なメンテナンスが不可欠です。メーカーの指示に従い、定期的なメンテナンスを実施することはもちろん、日々の清掃や点検も行いましょう。
また、消耗品の交換時期を把握し、適切なタイミングで交換することで、機器の性能維持と安定稼働に繋がります。
上記以外にも、導入するエンボス加工機のメーカーのサポート体制や、保証内容なども確認しておくと安心です。
トムソン加工機は、主に紙や薄い素材を型抜きするのに使用されますが、エンボス加工にも応用できる場合があります。エンボス加工を行う場合は、型抜き用のトムソン型をエンボス加工用の型に変更し、素材を挟んで上からプレスすることで凹凸を作ります。
しかし、全ての素材に適用できるわけではありません。素材の厚みや硬さ、エンボスの深さによっては加工が不完全であったり、機械に負担がかかったりする可能性があります。
そのため、トムソン加工機でエンボス加工を行う場合は、事前に充分な検討とテストを行い、自己責任のもとで実施する必要があります。
エンボス加工機の導入は、製品の付加価値を高め、ブランドイメージを向上させる有効な手段です。
しかし、最適な機械を選ぶには、加工する素材、形状、生産量、予算、メンテナンス性、メーカーのサポート体制など、様々な要素を考慮する必要があります。
この記事でご紹介したポイントを参考に、希望に合った最適なエンボス加工機を選び、より効果的なエンボス加工を実現しましょう。