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エンボス加工と印刷で商品の魅力をアップ!

2024.12.16 / TOPIC

エンボス加工と印刷で商品の魅力をアップ!

目次

エンボス加工とは?

エンボス加工とは、紙やフィルムなどの素材に圧力をかけて、文字や線を浮き上がらせる加工のことです。浮き出し加工とも呼ばれています。

エンボス加工は、紙製品、布製品、革製品、プラスチック製品など、様々な素材に施すことができます。
身近な例では、名刺、ショップカード、封筒、パッケージ、壁紙、衣類、バッグ、財布など、多くの製品にエンボス加工が使用されています。

一般的にぺーパーアイテムにエンボス加工を施すことが多いですが、操作シートのボタン部分にエンボス加工を施すなど、工業的な使われ方もします。

エンボス加工の魅力

エンボス加工の魅力は、「素材に表情と奥行きを与えられる」点です。
素材に凹凸をつけることで、視覚的にも触覚的にも、豊かな表現を生み出すことができます。

デザイン性をアップさせる
エンボス加工で模様やロゴなどを浮き上がらせることで、高級感や特別感を演出したり、ブランドイメージを向上させることが可能です。

機能性の付加
見た目以外にも、素材の強度や耐久性を高める機能的な効果も期待することができます。
例えば、滑り止め加工や、水や汚れを弾く撥水加工として応用されたりします。

触感
エンボス加工で凹凸をつけることで、素材の触り心地が変化します。
布にエンボス加工を施すことで、肌触りが柔らかくなり、通気性が良くなることもあります。

このように、エンボス加工はデザイン性、機能性、触感など、商品にさらなる魅力を持たせることができる加工技術なんです。

エンボス加工とデボス加工

エンボス加工と似た加工技術に、デボス加工があります。型押しとも呼ばれています。
どちらも素材に凹凸を施す加工ですが、以下のような違いがあります。

エンボス加工は文字を浮き上がらせるため、高級感を出したい時にピッタリです!
デボス加工は文字を彫り込むので、落ち着いた雰囲気を出したい時にオススメです。


2つの加工の特徴を理解し、用途やデザインによって使い分けることで、より良いモノづくりを可能にします。

エンボス加工と印刷の組み合わせ

エンボス加工は、単独で用いられるだけでなく、印刷と組み合わせることで、より豊かな表現を可能にします。
エンボス加工と印刷の組み合わせ方としては、以下のようなものがあります。

エンボス加工後に印刷する
エンボス加工で凹凸をつけた後に、上から印刷する方法です。エンボス加工によってインクが乗りにくい部分が生じるため、独特の風合いを出すことができます。

印刷後にエンボス加工する
印刷した後にエンボス加工を施す方法です。印刷したデザインをエンボス加工でさらに強調することができます。

エンボス加工と箔押しを組み合わせる
箔押しを組み合わせることで、さらに高級感を高めることができます。

表現方法が広がる!エンボス加工3つの種類

この章では、エンボス加工の中でも特に代表的な3つの種類をご紹介します。

空押しエンボス加工
インクや箔を使わず、凹凸のみを施す加工方法です。
素材本来の風合いを生かせるため、シンプルで上品な仕上がりになります。名刺やパッケージなどに多く用いられ、高級感を演出したい時におすすめです。

【メリット】
インクや箔を使用しないため、コストを抑えることができる。
シンプルなデザインで、素材の風合いを活かすことができる。
落ち着いた雰囲気を演出できる。
【デメリット】
色をつけることができないため、デザインの自由度が低くなります。
エンボスの凹凸が浅いと、視認性が低くなる可能性があります。

箔押しエンボス加工
箔押しエンボス加工は、エンボス加工と箔押し加工を組み合わせた工法です。
エンボス加工で凹凸を作った上から箔を転写し、メタリックな輝きをプラスします。
クリスマスカードや高級ブランドの製品パッケージなどに使用され、華やかでゴージャスな印象を与えることができます。
【メリット】
箔の輝きを加えることで、より高級感を演出できます。
デザインの自由度が高く、様々な表現が可能になります。

カラーエンボス加工
凹凸部分にインクを乗せることで、色鮮やかな表現を可能にする加工方法です。色の組み合わせによって、グラデーションなど多彩な表現が可能になります。
パッケージやポスター、ステッカーなどに利用され、目を引くデザインに仕上がります。
【メリット】
色を付けられるため、デザインの幅が広がります。
凹凸と色の組み合わせで、立体感をさらに強調することができます。
【デメリット】
インクの種類や色によって、耐光性や耐水性が低い場合があります。
複雑なデザインの場合、コストが高くなる可能性があります。

エンボスと印刷を組み合わせる際の注意点

エンボス加工を施す際には、注意しておきたい点がいくつかあります。

素材の選択
エンボス加工は、素材の種類や厚さによって仕上がりが大きく左右されます。
・紙の種類
一般的に、厚手の紙やコート紙はエンボス加工に適しています。逆に、薄すぎる紙や和紙のような繊維が粗い紙は、加工が難しく、綺麗に仕上がらない場合があります。
・紙の厚さ
厚すぎる紙は、圧力が伝わりにくく、凹凸が浅くなってしまうことがあります。また、薄すぎる紙は、破れたりシワになったりする可能性があります。
最適な素材を選ぶためには、事前に印刷会社に相談し、サンプルを作成してもらうのがおすすめです。

デザインの検討
エンボス加工する部分のデザインは、以下の点に注意する必要があります。
・線の太さ
細すぎる線や複雑な模様は、潰れてしまう可能性があります。エンボス加工を施す場合は、シンプルで太めの線で構成されたデザインが適しています。
・文字の大きさ
小さな文字は、エンボス加工によって読みにくくなってしまうことがあります。文字にエンボス加工を施す場合は、ある程度の大きさが必要です。

コストが高くなる
エンボス加工は、印刷のみを行う場合と比べて、コストが高くなります。
特に、エンボス加工のデザインが複雑であればあるほど、版の製作費用や加工費用が高くなります。そのため、シンプルなデザインの方が、コストを抑えることができます。
予算に合わせて、エンボス加工する範囲を決める必要があります。

印刷会社との連携
エンボス加工を施す場合は、紙のエンボス加工を専門とした印刷会社に連携することをおすすめします。
・事前の相談
素材の選択、デザインの検討、加工方法の選択など事前に相談し、アドバイスを受けるようにしましょう。
・サンプル作成
可能であれば、サンプルを作成してもらい、仕上がりのイメージを確認しましょう。
・データ入稿
印刷会社から指示された形式で、データを入稿する必要があります。

これらの注意点で困った時は、紙のエンボス加工を専門とした印刷会社に相談してみましょう。費用を抑える方法などを提案してくれるかもしれません。

エンボス加工に適している印刷物

エンボス加工は、紙に凹凸をつけることで立体感や高級感を演出できる加工のため、その特徴を活かせる印刷物に適しています。
具体的には、以下のようなものがあります。

名刺
名刺の会社ロゴや名前にエンボス加工を施すことで、高級感や特別感を演出でき、相手に強い印象を残すことができます。
特厚手の紙と組み合わせることで、さらに重厚感を与えることも可能です。

グリーティングカード
結婚式の招待状や、クリスマスカード、誕生日カードなど、特別なイベントに使用するペーパーアイテムに施すことで、より一層の特別感を演出することができます。
また、繊細な模様や文字をエンボス加工することで、上品で華やかな印象を与えることもできます。

パッケージ
化粧品、高級菓子、ジュエリーなどのパッケージにエンボス加工を施すことで、高級感やブランドイメージを高めることができます。

パンフレット
会社のパンフレットや、商品のカタログなどにエンボス加工を施すことで、読者に強い印象を残すことができます。
エンボス加工で重要な情報を強調することで、読み手の理解を深めることも期待できます。

証明書
賞状や卒業証書などにエンボス加工することで、権威や格式が高まります。

特殊印刷でつくる疑似エンボス加工とは?

特殊印刷で疑似エンボス加工を作ることもできます。
これは、印刷技術を使ってエンボスの質感を再現する技法のことです。
特殊なインクを厚く盛り上げてエンボス加工を再現していきます。

厚盛り印刷に使うインクは、通常のインクよりも粘度が高く、UV照射すると固まる性質を持っています。このUVインクをデザインに合わせて厚く盛り上げて印刷することで、立体感を表現します。特に、厚盛り印刷を用いた疑似エンボス加工は、点字印刷との相性がよいです。

点字印刷の製作工程を知りたい方は、こちらをご覧ください。
点字印刷の技法

疑似エンボス加工で作る点字印刷

疑似エンボス加工の点字印刷は、以下のような活用例が考えられます。

名刺
会社名や氏名を点字で併記することで、視覚障害者の方にも情報を伝えられる名刺になります。
パンフレット
視覚障害者の方に向けたパンフレットも、簡単に作成することができます。
案内表示
展示会やイベント会場の案内表示に点字を併記することで、視覚障害者の方にも配慮したイベントを企画することができます。
商品パッケージ
商品名や使用方法を点字表示することで、アクセシビリティの高い印刷物を制作することができます。

さらに、UV印刷で色や光沢を加えることで、デザイン性も高めることができます。

今後、ますますインクジェット技術が進化していくことで、より精細な疑似エンボス加工や点字印刷が可能になることが期待されます。

点字印刷について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
点字印刷について

まとめ

エンボス加工は、印刷物に立体感と高級感を与える、魅力的な加工技術です。

この記事では、エンボス加工の種類や印刷との組み合わせ、名刺などの印刷物への活用方法、デボス加工との違いなどを解説しました。

エンボス加工は、単なる装飾技術にとどまらず、点字印刷など、情報伝達においても重要な役割を担っています。
印刷とエンボス加工を組み合わせることで、視覚と触覚の両方に訴えかける、より豊かな表現が可能になります。

エンボス加工の種類や特徴を理解し、印刷物に効果的に取り入れることで、より印象的な表現を目指しましょう。

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